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できるところから一つずつ

できるところから一つずつ

コスモス本誌へ

☆ コスモス  2021年 談話室
アンケート
作曲された白秋の唄で、好きな唄を三つ挙げてください。(19字5行)

鈴木英夫氏が折りに触れてはしみじみと歌われた中から「この道」と「城ヶ島の雨」。そして子育て時代の私のやさしい味方であった「ゆりかごの唄」。三つとも懐かしくすんなりと心に届く好きな唄である。



☆ コスモス  2018年  談話室

まさかとは思うが

フロリダ州の高校での銃乱射事件の後で「先生が銃を所持し、即座に対応するのが望ましい」と、米大統領がコメントした。実は私の次男は、テキサス州で教職についている。もし大統領の言い分が通れば、彼もいざという時には銃で応戦?まさかそんな!五十歳を過ぎた彼が俄かに訓練しても、緊急時にまともに銃を使える腕になるとはとても思えず、頭がくらくらしてくる。(カナダ・佐藤紀子)


☆ コスモス 1989年7月号 小随筆「風鳥派」

姉のムーム―

 離婚して間もない姉がハワイ行の団体旅行に加わったのは、海外旅行が自由化されて間もない頃であった。1ドルは360円、しかも外貨持ちだし制限もあって必ずしも楽な旅行ではなかっただろうが、帰国した姉は「思い切って買っちゃった。高かったんだけど。」と、黒と白の大きな花柄の、ロングのムーム―をスーツケースから取り出した。袖無し、襟無しで大きくくれた背中をファスナーできっちり止めて、ハイウエストにし、そこから足元に向けて緩やかに拡がったムームー。そしてそれを来てみせる姉は、南国の解放感の象徴のようで眩しかった。
 私の気持を察してか、「ちょっと着てみなさいよ。おなかだって、こーんなに余裕があるんだから」と姉がしきりに勧めるので、来月は二人目の子が生まれる予定の大きなお腹を気にしながらも「じゃあちょっと」と私も思い切って着てみることにした。
 スポッと被り、お腹が入ったので先ず一安心。が、さてファスナーを閉めようとする段になると、途中までは上がるものの、あと5センチがどうしても上がらない。二人目の子が生まれることは喜びではあったが、二歳の息子を大きなお腹をして追いかけまわす日々だったし、世間から隔絶されはじめた感のあった私には、その五センチが、自分の立場を象徴しているように見えて哀しかった。
 その後二十年。更にもう一人増えて三人になった子供たちもそれぞれの道を歩き始めた今、私はハワイにやって来た。姉は八年前に亡くなり、例のムーム―は遺品として私のものになっていたので供養のつもりでスーツケースに入れてもってきていた。
 ワイキキで、今度はファスナーをきっちり上まで上げて着るムームー。背中や腕にあたる太陽が心地よい。海の見えるベランダに立つと、規則正しい波音に混じり人々のはしゃいだ声が聞こえてくる。これが嘗て姉の味わった解放感かと大きく息を吸い込んだ。が、着ているムームーに目を落とし、その白い部分が黄ばんでいるのに気付いた時、急に姉があの旅で昇華させて来た思いが胸に迫って来て身動きがとれなくなってしまった。
 急いで脱いだムームーをスーツケースにしまいながら、私は自分の気持ちの厄介さをも一緒にしまいこむことができたらどんなによいだろうかと思った。  



☆ 1992年1月号コスモス   「木魂」(宮英子氏宛て書簡より抜粋)

台湾とバンクーバー

 台湾のコスモス勉強会の方々とお会いする機会を得、感じたことを申し上げます。
 同じ海外の会員でも、台湾とバンクーバーでは雰囲気に大きな違いがあります。台北では、范姜さんのような献身的リーダーで、おうたの指導力もお有りの先生がしっかり身を入れて活躍していらっしゃること、文化が日本とはちがってもやはり東洋であること、それと男性の方がいらしておのずとけじめがついていることなどからも、その差が出てくるのかもしれません。バンクーバーの会は殆どが同時にスタートした点に、その強味も弱点もあるように思います。共通点は、やはりどの方も(自分も含めて)多少、現地とも日本とも融合しきれない部分がある辺りでしょうか。これはもう自分達の力で、発展的に解決して「独自の視点」として生かすことを目指すしかなさそうだと痛感致しました。
 個人的にはたくさんの方達にお目にかかれたこと、はからずも母(大橋信子)と一緒に参加させていただけたことなど、大切な思い出になります。
 本当にありがとうございました


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